個人事業主として15年以上活動しています。
- 開業届って出さなきゃいけないの?
- 開業届を出すメリット・デメリットは?
- 開業届ってなんか難しそうで気が重い…
こんな方の悩みを解決できる記事となっています!
なぜなら僕は、実際に開業届を提出して個人事業主として活動しているからです。
この記事では『フリーランスは開業届を出すべきかどうか』と『開業届を提出するメリット・デメリット』について、わかりやすく解説していきます!
これを読んで「開業届を出そう!」と決意した方には、記事の最後で『めんどうな開業書類の作成を一瞬で終わらせる方法』もお教えしますね。
まずは「開業届は提出した方がいいのか?」という、そもそもの話についてまとめているので、ぜひ読んでみてください!
本記事の信頼性
・グラフィックデザイナー歴25年
・現役フリーランスとして18年以上
活動しています。
「開業届は出した方がいいの?」の答え
なぜかというと、じつは開業届は『出しても出さなくてもどちらでもいい』からです。判断はフリーランス自身の責任のもとに、委ねられているという感じですね。
実際に、税務署に開業届について問い合わせたところ「強制ではないので、事業主さん次第です。」みたいなことを言われました。笑
ただそれでは、開業届を出す・出さないをどうやって決まればいいのかわからないと思います。
まずはなぜ開業届を提出するのか、理由を正しく理解していきましょう。
開業届を提出するおもな理由は、次の3つです。
開業届を提出するおもな理由3つ
- 提出を義務付けられているから(ただ罰則はない)
- 青色申告ができるから
- 事業をするうえでいろいろメリットがあるから
1 提出を義務付けられているから(ただ罰則はない)
はじめに出さなくてもいいと言いましたが、所得税法で開業届の提出について明記されており、僕も含め多くのフリーランスは開業届を税務署に提出しています。
(開業等の届出)
居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があった日から1月以内に、税務署長に提出しなければならない。
引用:所得税法第229条
所得税法では「事実があった日(開業日)から1ヶ月以内に提出しましょう」と書かれています。
しかし、提出しなかった場合のペナルティは定められていません。
実際のところ、お役所が便宜上規則として定めているだけだと推測できますね。
結果、上記の理由から開業届を出さずに活動しているフリーランスの人もいます。
2 青色申告ができるから
青色申告をする最大のメリットは、大きな節税対策になること。
青色申告をすることで、最大65万円を『税金の対象となる所得』から差し引くことができます。
それにより、翌年に納める税金や保険料が安くなります。
結果つまり、青色申告で節税対策をしている人は、何もしない人よりも所得税・住民税・国民健康保険料などで大きな得をするということですね!
3 他にもいろいろメリットがあるから
開業届を出すと、節税以外でもさまざまなメリットがあります。
どのようなメリットがあるのかは、次の『開業届を出すメリット5つ』で詳しく解説していきますね!
開業届を出すメリット5つ
開業届を提出する5つのメリット
- メリット①:青色申告での節税効果が大きい
- メリット②:社会的信用が生まれる
- メリット③:屋号付きの銀行口座を作れる
- メリット④:小規模企業共済で退職金を受け取れる
- メリット⑤:保育園の申込みなどで就労証明になる
メリット①:青色申告での節税効果が大きい
前の項で青色申告で大きな節税対策ができることを解説しましたが、もう少し具体的に解説してみます。
まず、確定申告には白色申告と青色申告があります。
開業届と同時に「青色申告承認申請書」を提出すると、青色申告ができるようになります。
青色申告では、「複式簿記」や「e-Tax(電子申告)など」の条件を満たした人だけが、最大65万円の特別控除が受けることができます。
数字だけではピンとこないと思うので、65万円控除でどれだけ節税できるのかを白色申告と青色申告で比較してみましょう。
メリット②:社会的信用が得られる
開業届の提出は『社会的信用を得る』ことにもつながります。
なぜなら法律に基づいて届け出ることで、個人事業主として国からの承認が得られるからです。
社会的な信用が得られると、例えば以下のようなメリットがあります。
- 信用によって取引先と仕事がしやすくなる
- 銀行から融資が受けやすくなる
- 事業用の銀行口座が作れる
さらに、〇〇事務所みたいな『屋号』をつけると、個人名よりも事業者であることの説得力も増しますね!
このように開業届の提出によって『国から事業者と認められた信用』と『屋号など印象からくる信用』の両方を得ることができます。
メリット③:屋号付きの銀行口座を作れる
開業届を出すことで、屋号付きの銀行口座を開設することができます。
屋号で銀行口座を作ることのメリットは以下の2つです。
屋号付き銀行口座のメリット2つ
- プライベート用と事業用の使いわけ
- お客さまからの信頼性が高まる
プライベート用と事業用の使いわけ
事業用の口座を持てば、プライベートとの支出を明確に区別できるので、経理作業がすごくラクになりますね。
仕事関係のお金の出し入れを屋号付きの口座から行えば、経費にできるもの・できないものを仕分ける手間を省くことができます。
また会計ソフトと事業用口座を紐づければ、経費や収益を自動入力してくれるので、確定申告がよりスムーズにできますよ。
お客さまからの信頼性が高まる
なぜなら個人名義よりも屋号名の口座の方がバツグンに安心感が増すからです。
例えばあなたが、ネットショッピングをした場合に振込口座が個人名だったら、なんだか、いがわしく感じますよね?
逆に仕事をする場合、振込口座が屋号名であれば「きちんと事業をしている」という印象を取引先に与えられます。
メリット④:小規模企業共済で退職金を受け取れる
フリーランスが開業届を出すと、退職金を受け取ることができます。
なぜかというと、個人事業主になると『小規模企業共済』に加入できるからです。
小規模企業共済に加入して、月々掛け金を積み立てることで事業を辞めるときに共済金が受け取れます。
会社員でなくても、退職金を手に入れることができるありがたい制度ですね!
詳細を知りたい方は「小規模企業共済(中小機構)」をご覧ください。
メリット⑤:保育園の申込みなどで就労証明になる
保育園の申込みの際に、就労証明書と同時に『開業届の控え』が必要な場合が多いとのこと。
開業届を提出していれば「控え」が、働いている客観的証拠になるからですね。
これは、小さいお子さんがいるフリーランスにとっては一番重要なことですよね。
開業届は出すデメリット3つ
開業届を提出する3つのデメリット
- デメリット①:失業保険がもらえなくなる
- デメリット②:扶養から外される可能性も
- デメリット③:青色申告は多少手間がかかる
デメリット①:失業保険がもらえなくなる
現在、失業給付を受け取っている方は、開業届を提出すると失業保険がもらえなくなります。
失業保険は「失業者・仕事を探している人」のための保険なので、『開業届を出す=事業を始めた』ことになり、保険の対象者ではなくなるためですね。
勢いで開業届を出してしまうと、たとえ収入が月5万円しかなくても失業給付が受け取れなくなるのがデメリットですね。
デメリット②:扶養から外される可能性も
開業届を出す人が扶養に入っている場合は、その扶養から外されてしまう可能性があります。
というのも健康保険組合によっては、開業届を提出しても『扶養のままでいられる場合』と『開業届を出して個人事業主になった時点でNG』な場合があるからです。
保険組合によってルールが異なるので、事前に確認しましょう。
もう1つ注意すべきなのは、開業届を出して一定の所得がある人は扶養から外れてしまう点ですね。
この場合は保険組合は関係ありませんので、もし扶養から外れたくない場合は注意しましょう。
デメリット③:青色申告は多少手間がかかる
開業届を出して青色申告を選択すると「複式簿記」になるので、記帳になかなかの手間がかかりますね。
僕もかつてそうでしたが、「記帳なんかやったことがない!」という人は余計にそう思いますよね。
でも心配しなくても大丈夫です!
会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくてもほとんどの記帳を自動的に行ってくれるので、正直、余裕です。
あとは知り合いに税理士などがいれば、専門家にお願いするのも手だと思います。
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まとめ
最後に、ご紹介したメリット・デメリットをおさらいしましょう。
開業届を提出する5つのメリット
- 青色申告での節税効果が大きい
- 社会的信用が生まれる
- 屋号付きの銀行口座を作れる
- 小規模企業共済で退職金を受け取れる
- 保育園の申込みなどで就労証明になる
開業届を提出する3つのデメリット
- 失業保険がもらえなくなる
- 扶養から外される可能性も
- 青色申告は多少手間がかかる
開業届を出すべきかどうかは『人』によります。ただ、開業届を出すことによって受けられるメリットはたくさんあります。
開業届を提出して、個人事業主としてこれからの可能性を広げてみることをオススメします!